胎児への影響


トリコモナス膣炎の胎児への影響

トリコモナス膣炎の胎児への影響

妊娠中胎児への影響についてですが、妊娠初期では内服薬の投与により、胎児へ移行して胎児奇形を起こす可能性があるので治療には通常、膣錠のみにて対処するのが一般的です。

また、トリコモナス自身が胎児へ感染して奇形を起こす心配はないようです。

妊娠中期から末期にかけての感染は、膣炎が影響して早期破水を起こす可能性があり、早産に至る場合もあるそうなので注意が必要です。


カンジダ膣炎の胎児への影響

カンジダ膣炎の胎児への影響

妊娠中は、身体の抵抗力が弱まるため、性器の自浄作用が弱まり、膣内、外陰部が炎症を起こしてカンジダ膣炎にかかりやすくなっています。

胎児には特に影響はなく、きちんと分娩前に治療を行えば、帝王切開などを行うこともなく、通常分娩が可能です。


尖圭コンジロームの胎児への影響

尖圭コンジロームの胎児への影響

胎児への影響はほとんどないと言われていますが、ごくまれに感染する場合が有ります。
感染した場合イボが出来たり、多発性咽頭乳頭腫(喉にイボができる)事が有ります。

妊婦に対しては、薬剤の胎児への毒性から、外科的療法が選択されるようです。


性器ヘルペスの胎児への影響

性器ヘルペスの胎児への影響

性器ヘルペス感染しても遺伝することはなく、妊娠する事は十分可能です。但し再発しているときを除けば、性交も可能で、出産も可能です。

妊婦が性器ヘルペスに感染した場合、奇形児が生まれる事はまずないようです。但し、胎児が出産時に産道を通る際、ヘルペスウイルスに感染して、新生児ヘルペスになってしまう可能性があり、その場合、新生児は抵抗力がなく、重症になってしまうことがあるので注意が必要です。

もし、出産時に性器ヘルペスに感染している事が判明した場合は帝王切開で分娩した方が安全です。

また、妊娠前に感染したことがある(病歴を持つ)場合や、妊娠〜29週までに感染した場合、母親に免疫があるため、新生児へのヘルペス感染は非常に低くなります。

但し、30〜40週の間に感染した場合は、赤ちゃんがヘルペスウイルスに感染し、新生児ヘルペスになるリスクは非常に高くなるのでご注意下さい。

妊娠中に妊婦が性器ヘルペスに感染していなくても、パートナーが感染している場合には、パートナーとの妊娠中の性交は十分気をつけ、コンドームを使用し、口腔での性交は避けましょう。また、パートナーが性器ヘルペスに感染しているかかわからない場合は、パートナーに検査を勧めましょう。

性器ヘルペスに感染している人のほとんどに自覚症状が無いことを忘れないでください。


淋病の胎児への影響

淋病の胎児への影響

妊娠初期淋病に感染すると、流産やなどの原因になることがあり、また、妊娠中期・後期に感染した場合、炎症により自然破水を引き起こして、早産の原因となる場合があります。

また、出産時に妊婦が淋菌性子宮頸管炎を合併している場合、赤ちゃんに産道感染し、新生児結膜炎になる可能性があります。生まれた赤ちゃんが感染し、無治療で放置すると、角膜潰瘍などのの危険性もあるので注意が必要です。


クラミジア感染症の胎児への影響

クラミジア感染症の退治への影響

妊婦さんが感染すると、お産の時に赤ちゃんに感染することがあります。 子宮の入り口(頚管)に潜むクラミジアは、お産の時に赤ちゃんの口や目から侵入します。産後しばらく経過してから、赤ちゃんが肺炎や結膜炎を起こすことが知られています。

クラミジア感染症と流産の関係についてはまだ良くわからない事が多く、自然流産の原因の一つとしてクラミジアの関係が否定されたわけではないので注意が必要です。


梅毒の胎児への影響

梅毒の胎児への影響

梅毒が胎児へ感染する経路は、母体から胎盤を経由して感染するために、胎盤が完成する妊娠4ヶ月以前には母子感染は成立することはないようです。すなわち妊娠4ヶ月までの母親に適切な治療を行えば、胎児に影響を及ぼす事は無いようです。

しかし、見逃された場合、胎児に深刻な影響を及ぼし、先天性梅毒児が生まれる可能性があります。数が少ないとはいえ、早期に治療すれば確実に治療できる病気で、見逃された場合に胎児への影響が大きいので、しっかり検査する必要があります。


エイズ(HIV)の胎児への影響

エイズ(HIV)の胎児への影響

エイズの原因である(HIV)ウィルスに感染していて治療を受けていない妊婦の場合、約25%が母子感染を起こすそうです。

HIVに感染している妊婦に抗レトロウイルス薬の服用により胎児へのHIV感染のリスクは2%未満に減少するそうで、また、帝王切開で出産した場合、胎児へのHIV感染リスクをさらに低下させられるケースもあるそうです。


アメーバ症の胎児への影響

アメーバ症の胎児への影響

妊娠中の死亡率を上げる 。

詳しくは医師にご相談下さい。


B型肝炎の胎児への影響

B型肝炎の胎児への影響

B型及びC型肝炎のいずれの肝炎もウイルス感染によるもので、妊娠中もしくは、出産時に母親の血液により胎児あるいは新生児がウイルスに感染する可能性があります。

C型肝炎ウイルスでは、その感染率は1割以下程度という報告がありますが、感染率は低いようです。また、B型肝炎ウイルスは、胎児への感染率は幅が広く、最低1割未満〜最高約8割程度であると報告されているそうです。

感染が起こった場合、新生児はキャリア(ウイルス保菌者で発症していない状態)となり、成人してから肝炎を発症する可能性が高くなります。

母児感染によりキャリアとなった場合、のちに肝炎を発症する割合は、B型では1割程度、C型では8割程度だそうです。